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トワイライト〜初恋〜 [映画感想−た]

『マイレージ、マイライフ』でのアナ・ケンドリックの好演を観て、
いい加減、覚悟を決めて『トワイライト』観なきゃなあと思い、
ようやく鑑賞いたしました。
何が私をそこまで引き留めていたのか?・・・というほど大袈裟なことでもないですが、
その理由は後ほど。


高校生のベラ(クリステン・スチュワート)は母親の再婚を機に、
これまで離れて暮らしていた父親の元で暮らすことにします。
ワシントン州フォークスという小さな町の高校に通うことになった彼女は、
そこで不思議な雰囲気を持った集団を見かけ、興味を持つようになります。
その集団の中の一人、エドワード(ロバート・パティンソン)と、
生物のクラスで席が隣り同士になりますが、彼はあからさまにベラを避ける様子を見せ・・・。


運命の恋
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今作がアメリカで公開され大ヒットしていた頃、
エンタメ系やゴシップ系のサイトを毎日賑わせていたロバート・パティンソンという俳優。
・・・う〜む、この人のどこがいいのだろう?全米中の女の子たちが熱狂してるって?
こういうのは個人の趣味の問題だし、国民性の違いもあるのだろうしと、
なんとか納得しようとすればするほど「でもなあ・・・」という、
割り切れないような気持ちでいっぱいでした。
映画自体の"現代の吸血鬼もの"というのに興味はありましたが、
この彼が吸血鬼?と思うと、どうしても劇場へ行く気になれず・・・。

でもそれほどヒットするからには何かしら理由があるのだろうし、
それにクリステン・スチュワートは可愛いと思うし・・・というわけで、
ようやくビデオで一度見始めたのですが、やっぱりどうしても笑ってしまう!
いや、好きな人には本当に申し訳ないのですが、
ロバート君が深刻になればなるほど冗談のような気がしてしまって、
ほかの理由もあって途中で一旦、観るのを止めてしまいました。
で、最初に書いたとおり、アナ・ケンドリックをもう一度ちゃんと確認したいのと、
途中で投げ出すのもしゃくだしなあと、最初からちゃんと観ることにしたのでした。


パパのお友だちは狼族
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いろいろ耳にしていたとおり、確かに思い切り少女マンガの世界というのか、
いわゆる白馬に乗った王子様が、というぐらい古いタイプの少女マンガ的。
イマドキのアメリカの女の子もこういうのに夢中になるのかあと、
そのことにも驚いてしまいますが、こういうのは不変のものなのでしょうか。
とりあえずロバート君の風貌は別にして(シツコイ!)、
現代の吸血鬼ドラマというそのストーリーそのものにこそ突っ込むべきところが多いのでは?
と思われたのが、意外にもすんなりとその世界に入っていくことが出来ました。

舞台になったワシントン州の田舎町の風景がとても美しく、
常に細かい雨が降り霧に包まれていて、深い深い森には重くひんやりとした空気が漂っているようで、
何か魔物が住んでいると言われてもおかしくない雰囲気が良かったです。
登場する高校生たちも見た目や会話は現代っ子風でありながら、
でもなんとなく田舎っぽく人の良さそうな感じで、
転校生のベラが彼らにすんなり受け入れられるのも懐かしい学園ドラマのようで好ましかったです。
アナ・ケンドリックの普通っぽさがまたすごくピタッとはまっていました。

田舎の高校に怪しげな一団がいて、彼らは永遠に高校生だったりするわけですが、
それって町の人はどう思ってんだろう?とか、いろいろ面倒なこともあるだろうに・・・とか、
そういう細かい気になりそうな部分は、実は見終わった今になってなんとなく思う程度で、
観ている間はほとんど気になっていませんでした。
吸血鬼にもいろんな種族がいるとか、これぐらいの天気なら昼間出歩けるんだとか、
そもそもみなさん牙が生えてないけどその辺どうなるの?とか、
今となってはアレ?なことも不思議な説得力で納得させられていました。
まあ吸血鬼の皆さんの野球!というところは多少オイオイ・・・とは思いましたが、
なんだかそれも不思議にスルッと受け入れてしまっていましたし。


吸血鬼のみなさん
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とは言え、やはりロバート君には最後まで違和感・・・。
『ハリー・ポッター』の頃は若かったせいもあるでしょうが、もうちょっと可愛かったのになあ。
吸血鬼というとなんとなく華奢で青白くて、と勝手にイメージしてしまうのですが、
このロバート君、結構良い体つきだし、しかも普通に毛深くて吸血鬼というより狼男?って感じ。
青白いメイクでも消せないひげそりあとの青さというのはちょっと困っちゃいます。
同じ吸血鬼一家のほかの男の子のほうがまだ吸血鬼っぽいかなあと思ってしまいました。
でも考えてみたら、あの『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』での、
トム・クルーズもブラッド・ピットもどうにもヘンに見えたものでした。
うーん、そう考えると正しい吸血鬼の姿ってどんななのでしょう?
やはり私の吸血鬼の原点はクリストファー・リーのドラキュラ伯爵かなあ。
あ、それと『クロコダイルの涙』のジュード・ロウは良かった!美しかった!
やはりヘンに顔を青白くしないほうがいいのかも知れません。
なんだかさっぱりこの作品の内容に触れない感想になってしまってますが、
いや、思ったほど悪くもなかった。こういう世界、キライじゃないです。
好きだから血を吸うことが出来ないなんて、なんてかわいそうなバンパイア君!
途中で挫折しないで良かったかも。この勢いで続編も普通に観てしまいそう!



Twilight(2008 アメリカ)
監督 キャサリン・ハードウィック
出演 クリステン・スチュワート ロバート・パティンソン ビリー・バーク ピーター・ファシネリ
   エリザベス・リーサー キャム・ギガンデット アシュリー・グリーン クリスチャン・セラトス
   アナ・ケンドリック ニッキー・リード テイラー・ロートナー ケラン・ラッツ
   ジャクソン・ラスボーン ジル・バーミンガム レイチェル・レフィブレ エディ・ガテギ



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第9地区 [映画感想−た]

ああ映画の面白さってこういうことだよなあと単純に思いました。
ハリウッドはネタ切れだなんだと言ってるのに、
違う国からはまだこんなスゴイものが登場するんだなあと。
SF、アクション、バイオレンス、友情に夫婦愛に親子愛、
ドキュメンタリータッチでたたみかけ、コメディ要素も忘れず、
血肉飛び散る大活劇の最後はホロリとさせる・・・凄まじい怪作!


1982年、南アフリカのヨハネスブルク上空に突如巨大な宇宙船が現れます。
中を調べると、そこは宇宙船の故障で難民となったエイリアンたちで溢れていました。
政府は彼らを地上に降ろし、「第9地区」に隔離し住まわせることにします。
言葉も通じず野蛮な行いを繰り返すエイリアンたちとの共存は難しく、
それから20数年、依然トラブルが絶えないことから、
政府は民間企業マルチユナイテッド社(MNU)にエイリアンの管理を委託します。
MNUはエイリアンたちを郊外の第10地区への強制移動を決定。
ヴィカス(シャルト・コプリー)はその現場責任者に任命されます。
大きな仕事を任されたヴィカスは意気揚々、エイリアンたちに移住の同意を得るため、
第9地区を訪れますが、そこで彼はある物体を見つけ・・・。


ど、どうしましたっ!?
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舞台が南アフリカで、人種ならぬエイリアン隔離政策というので、
真面目に問題提起でもされるのかと思ったらそんな堅苦しい内容ではなくて、
というかもう、そういうことは十分観ている側に伝わりすぎるぐらい伝わってしまう、
スラムの描き方、人間側の汚さ狡さ浅はかさとかが本当に巧い。
関係者へのインタビュー、ビデオや防犯カメラらしき映像など、
フェイクドキュメンタリーの作りがすごくリアルで、
でもそこに映っているのは、ありえないエイリアンの姿だったりするのが不思議。
今や、どんなびっくり映像が登場しても大して驚かなくなってしまってはいますが、
それでもエイリアンたちがあまりに自然に風景に溶け込んでいるのは、
自然すぎて可笑しくて、でもそれが違和感というのではなく、
実際20年以上もの間ずっとそんな景色を観ているかのような気分にさせられるのが、
本当に素直に凄くてただただ面白いです。

結構グロい表現も交えながら、あまりに異常な"普通"さがいちいち可笑しい。
エイリアンがキャットフード好きで、彼らを利用するギャング団と猫缶で取引するとか、
(このキャットフードを"猫缶"と訳したのは字数制限が理由だと思うけどウマイ!)
立ち退きさせるために書類にサインさせる(でもまったく通じない)とか、
本当に随所で笑わせてもらいました。


△※★#◆%@!?
district9_2.jpg


エイリアン移住プロジェクトのリーダーに抜擢されたヴィカスという男。
気が小さそうだけどいつもニコニコしてて悪い人じゃなさそう・・・と思ったら、
彼がエイリアンたちを前にするとガラッと態度を豹変させる、
その姿がものすごく不愉快で、だんだんムカムカしてきました。
なんといってもゾッとしたのは、ある小屋で大量のエイリアンの卵を発見し、
それを「中絶だ」と言って焼き払う場面。
彼はエイリアンなんて本当に虫けら同然にしか思っていないことがわかります。
このヴィカスをイヤなヤツにしたことが、今作を面白くした理由のひとつだと思いました。
イヤなヤツだから、彼がヒドイ目にあっても単純に肩入れしないし、
でもやっぱり何とかしてあげたいという気持ちにもなり、二転三転する展開に、
こちらの気持ちも落ち着かないままに話が進んでいきます。
エイリアンと人間、どっちが良い者だとか悪者だとか、単純な図式にならない。
知能の高いエイリアンが登場しても、このエイリアンもヴィカスの敵になるのか味方なのか、
ハッキリしないまま話が進むので、ずっと緊張感が続きます。

ヒーローとか軍人とか大統領とかが登場して宇宙人退治に乗り出し地球を救う。
・・・そんな話、こちらは今さら観たいとは思わない。
勧善懲悪もそれはそれでスッキリして面白いものだけど、
世の中そんな簡単な図式では語れないというリアルさを感じました。
宇宙人が出てきて現実的というのもヘンな話ですが、
その不思議なリアリティが気持ちをキリキリさせるのです。
観ているこちらは誰に感情移入すればいいのか悩み、試されるようでもあります。
何しろヴィカスには妻の父親や、彼を捕まえようとする傭兵、
さらにはナイジェリア人ギャング団と、戦う相手が多すぎで、
これまたどれもこれもニクタラシイ敵ばかりで、結局ヴィカスを応援してしまったりもするんですが、
このヴィカスさん、散々応援させといてコロッと裏切ったりもする。
いや本当に最後まで気を抜かせません。


ずっとそこに。
district9_3.jpg


気持ちいいぐらい(?)に豪快に人やエイリアンが銃で吹き飛ばされ粉々になるのは、
冷静に考えたらものすごく恐ろしいことなんですが、
こういうのの気持ちよさというのは素直に認めざるを得ないです。
宇宙人とか戦闘とか殺戮とか、最後にはパワードスーツまで登場するし、
いわゆる男子の皆さんの好きな成分が満載で、あと足りないのはセクシャルな部分ぐらいかな?
私の印象は『クローバーフィールド』『アバター』な感じ。
特に身体がエイリアン化するとか、宇宙人との共生が出来るか否かとか、
執拗に追いかけてくる傭兵の感じなんか、ものすごく『アバター』と共通する点が多い気がして、
だけど最先端な3D映画のアチラより、こちらが断然面白いのはなぜだろう?
まあ、目指しているものが全然違うだろうから比べるのもナンなんですが。

痛いシーンが多いのは個人的にはすごく苦手なんですが、
・・・いやホント、途中でちょっと気分が悪くなったぐらいなんですが、
単に驚かそうとか、残酷なモノを見せたいという見せ物的なものじゃない、
何か一本筋の通った残酷描写のような気がしました。
それも、良く出来たリアリティだからなのでしょうか。
「エビ」と呼ばれるエイリアンの造形もすごくいいと思うし、
スラムの描写も含め、イヤになるぐらい気持ち悪いんだけど、
子どもエイリアン(小エビちゃん!)がすごく可愛かったり。
いやあなんだか本当に盛りだくさんで、あれこれ言いたいことがいっぱいです。
こういうのこそ「観てソンはない」だなあと思いました。


District 9(2009 アメリカ/ニュージーランド)
監督 ニール・ブロムカンプ
出演 シャルト・コプリー デヴィッド・ジェームズ ジェイソン・コープ ヴァネッサ・ハイウッド



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Dr.パルナサスの鏡 [映画感想−た]

これまで製作中に何度もトラブルに巻き込まれ、そのたびに、
それらをバネにするかのような傑作を作り続けてきたテリー・ギリアム。
今作では重要な出演者であるヒース・レジャーの死という、
あまりにも大きな痛手を負いましたが、
3人の代役という荒技とも言える方法でこの不幸を乗り越え、見事に完成させました。
さて、その出来栄えは・・・?


2007年のロンドン。パルナサス博士(クリストファー・プラマー)は、
娘のヴァレンティナ(リリー・コール)、座員のアントン(アンドリュー・ガーフィールド)、
パーシー(ヴァーン・トロイヤー)と共に移動式の見世物小屋を引き、
不思議な鏡を使った"イマジナリウム"という出し物を行っていました。
パルナサス博士はその昔、悪魔のMr.ニック(トム・ウェイツ)との取引により、
永遠の命を手にしていましたが、ある理由により不死からの解放を求め、
再びMr.ニックと取引をし、その代償として、ヴァレンティナが16歳になったら、
彼女をMr.ニックに引き渡す約束をしていました。
その約束の誕生日を間近に控え博士は一人苦悩します。
そうとは知らないヴァレンティナはある日、
橋の下に吊るされていたトニー(ヒース・レジャー)という男を助けます。
一座に仲間入りしたトニーは持ち前の商才を発揮し見世物を繁盛させ、
貧しかった一座を助けますが・・・。


パルナサス博士
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撮影途中でヒース・レジャーを亡くし、一時は製作中止も考えたということですが、
よくここまで作り上げたなと感心しました。感心なんて失礼な物言いですが。
でも見終わってみると、やはりどこか何か混乱するものを多少感じてしまいました。
どこまで最初から考えられていたのか、ヒース不在から捻りだしたのはどのあたりなのかなど、
変な気の回し方をついしてしまったり。

ヒースの"代役"を務めることになったのは、
テリー・ギリアムの盟友ジョニー・デップ、トニー役の候補だったというジュード・ロウ、
そしてヒースと親交のあったコリン・ファレルの3人。
鏡の向こうのファンタジー世界では姿が変わる、というアイデアにより、
3度登場するトニーの鏡の中でのシーンを3人が演じ分けるという大技に出たわけです。
でもこれ、ハッキリ言って別に3人じゃなくても良かった気がします。
撮影スケジュール的なものでもあったのか、
あるいは1人に絞れなかったのかなあなんてことも考えてしまいました。
鏡の中で人相が変わるなら、ほかの人が入っても変わって欲しかったし。
トニーと一緒に中に入ったお金持ちのご婦人が、
中の鏡に映った姿でしか変わってないのとか矛盾してるなあなんて気になってしまいました。


ヴァレンティナ
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でもまあそんな細かいことは実際には本当にどうでもよいことで、
不思議なイマジネーションに溢れた映像はとにかく魅力的で、
昔のギリアム作品を彷彿とさせる濃密ファンタジーワールドには興奮しぱなしでした。
単に幻想的で美しい映像というのではなく、表現としては結構ベタだし悪意も満ちていて、
ギリアムお得意と言える巨大なアタマとか気球なんかも登場するし、
なんだかファンサービスしすぎじゃない?と思えるほどの充実ぶり。
ただ、お馴染みな世界とは言っても当然ながら発達したCG技術により、
『バロン』のような思いっきりな合成映像と違って妙にクリアで、
キレイ過ぎて他人行儀な感じも若干してしまいましたが。

ストーリーに関しては「ええっとそれってどういうこと?」と、
途中何度か混乱しそうになりましたが、これは私のアタマの固さというか、
おそらく集中力の無さだと思います。
というのも、つい「あージョニデに変わった〜」なんてことを考えてしまって、
その瞬間、気持ちが違うところに行ってしまっているのです。
きっと何ヶ所かで肝心な何かを見落としてしまっていると思います。
さらに映像の凄さに「ああ楽しいなあ」と浸ってしまって、ボーッとしちゃったりとか。

でもそんな自分に反省しつつも改めていろいろ考えると、全体にものすごく漠然とですが、
何か突き抜けてない、語りきってないような感じを受けました。
これまでのギリアム作品の、多少の矛盾などもゴリゴリと押し切るようなパワーが、
今回はあまり感じられず、結果的にうまい具合に流されていったような、
妙にあっさりと終わってしまったような印象を受けました。
これももしかしてヒースを失ったことが原因なのかなとも思いますが、
ストーリー自体の変更点がそれほどあったとは思えないし、意識的にか無意識にか、
ヒースに対する遠慮のようなものでもあったのかも知れないなと想像してみたりしました。
もちろん、監督の原点回帰だとか『バロン』風だとか言っても"新作"なのだし、
監督自身の変化ということも十分考えられるのですが。


トニーとパーシー
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ヒースのことばかりどうしてもクローズアップされていたので、
観るまではてっきり彼が主役だと思っていたら、タイトル通り主役はパルナサス博士なのですよね。
それと悪魔役のトム・ウェイツ。彼のとぼけた悪魔ぶりは本当に最高で、
この2人の駆け引き、まさに浮世離れしていて見応えがありました。
そして驚きは、パーシー役のミニ・ミーことヴァーン・トロイヤー!
ここまで重要な役というのは初めてなんじゃないでしょうか。
「別の小人を探せばいい」というセリフ、そのまんま「ほかにはいないよ!」と返したい!
そしてなんといっても魅力的だったのは、ヴァレンティナ役のリリー・コール。
美人というのとはちょっと違う独特な顔立ちと、モデルならではのスタイルの良さは、
ものすごく神秘的かつ異次元的な存在で、この不思議な映像世界に見事に溶け込んでいました。

ヒース・レジャーに関しては、これが遺作かという思いで観てしまうと、
どうしても特別な見方をしてしまいそうなのですが、普通に好演だったという印象。
でも、だからこそ改めて彼にものすごくいろんな可能性を感じてしまい、
もっともっといろんな彼の芝居が観たかったなあという、残念な気持ちでいっぱいになります。
けれども、おそらく誰よりもヒース・レジャー本人が残念というか、無念だったはず。
この作品ですべてを演じ、完成させたかっただろうなと思います。
その、叶わなかった完成版を観ることが出来ないことが悲しい。
このような別の形で完成させることも大事だったと思うけれど、
完成させて欲しくなかったような気もする、なんとも複雑な気持ちでいます。
もちろんそう考えられるのは、これが出来上がって観ることが出来たからなのですが。
なんだろう、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』に対する思いにも通じるものがある気がしました。


The Imaginarium of Doctor Parnassus(2009 イギリス/カナダ)
監督 テリー・ギリアム
出演 クリストファー・プラマー ヒース・レジャー リリー・コール トム・ウェイツ
   ヴァーン・トロイヤー アンドリュー・ガーフィールド ジョニー・デップ
   ジュード・ロウ コリン・ファレル ピーター・ストーメア



Dr.パルナサスの鏡 プレミアム・エディション [DVD]

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扉をたたく人 [映画感想−た]

名脇役リチャード・ジェンキンス60歳になって初めての主演作。
そしてオスカー主演男優賞ノミネートの快挙!
彼の素晴らしい演技と"演奏"がたっぷり堪能できる良品。


大学教授ウォルター(リチャード・ジェンキンス}は、
妻を亡くして以来、孤独で無気力な毎日を送っていました。
ある日、彼は同僚の代理で渋々ニューヨークの学会に出席することになります。
長く訪れていなかった別宅のアパートに行くと、
そこには見知らぬ外国人のカップル、シリア出身のタレク(ハーズ・スレイマン)と、
セネガル出身のゼイナブ(ダナイ・グリラ)が住み着いていました。
彼らは不動産屋に騙されてこの家を紹介されたらしく、
事情を知ったウォルターは、彼らをしばらく家に居させることにします。


心は閉ざされたまま
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頑固で人付き合いも悪い。レポート提出の遅れた学生の言い訳にも耳を貸さない。
冷徹、無表情でかつ無気力そうでもあり、そして孤独さも漂わせ・・・と、
そんな、周りを寄せ付けないウォルターの様子は、
『あるスキャンダルの覚え書き』のジュディ・デンチを少し思い出させました。
彼がそうなってしまった理由は妻に先立たれたからなのか。
ピアニストだったらしい妻の残したピアノのレッスンを始めても、
ピアノ教師に素直に心を開けず、60を過ぎてからの手習いは実際なかなかうまくいかない。
そんな自分に苛立ちも感じているようで、しかしそんな感情も押し殺しています。

そんな彼が、しかし自分の家の不審者をなぜかあっさりと受け入れます。
そのことが、彼が根っから冷徹でも悪人でもないことを表しているようで、
人の不安定さ、不確実さや弱さのようなものも見せていると思いました。
そしてこんな出会いが人生を変える出来事へと発展していく。
もちろん、こんな風にうまくいくようなことばかりではないでしょう。
勝手に自分の家に住み着いていた外国人なんて、普通ならまず警察に突き出すだろうし。
でもそうしなかったことにこの映画の面白さがあります。


タレクにジャンベを教わる
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ウォルターはタレクの演奏するジャンベというアフリカの太鼓に興味を持ちます。
タレクからレッスンを受け、やがて公園でのセッションに参加するまでになり、
ウォルターの終始堅かった表情が少しずつ和らいでいきます。
本来の目的の学会もそっちのけでジャンベにのめり込んでいく様子は実に微笑ましい。
ウォルターのことを警戒していたゼイナブとも少しずつ心を通わせ始めるし、
このあたりを見ていると、人との出会いの素晴らしさをしみじみ感じさせ、
人種のるつぼ、ニューヨーク的だなとも思わせられます。

しかし、このあとそんなニューヨーク的光景の別の面も見せつけられます。
タレクはある誤解の元、ウォルターの目の前で逮捕され拘束されてしまいます。
ウォルターは仕事もそっちのけでタレクの釈放のために奔走。
弁護士を雇い、毎日面会に訪れる様子は前半のウォルターとはまるで別人です。
そしてそこに現れるタレクの母モーナ(ヒアム・アッバス)が、また彼の人生を動かします。
正直なところ、ウォルターとモーナの"恋愛"は必要だったのかどうか。
なんとなく好意を寄せる、ぐらいが個人的には好みだなと思いました。
でもこれはあくまでウォルターという男がどんな出会いをし、経験をし、
どう変わっていくか、そこがメインテーマ。
そんな1人の男の揺れる内面をリチャード・ジェンキンスが、
一見無表情そうでありながら、実は驚くほど豊かな表情で見せてくれている。
脚本は彼を想定して書かれたらしいですが、
まさに彼なくしてはありえなかった作品と言えそうです。


愛する人を待つ2人
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移民の国であるアメリカが911テロ以降その様子を少しずつ変えている、
そのことは劇中でもセリフとして語られますが、
それはやはり仕方のない事なのかも知れません。
またタレクたちはそもそも不法滞在者であり、それは当然違法であって、
タレクの逮捕は不当なことではありましたが、
結果、送還されてしまうのも仕方のないことなのだと思いました。
映画自体もそのことを強く糾弾するわけではなく、誰が良いとか悪いとか、
そういったことを決めつけようとするのではなくて、
何か強く問題提起をするのでもありません。
しかし、強く提起しないからこそ余計に登場人物の全員がおかれた立場に心が痛みます。
どうにもならない怒り・・・タレクの移送を知ったウォルターが、
拘置所で係員を前に感情を爆発させるくだりに、観ているこちらも同じように怒りを感じ、
それと同時に、ここまで感情を表すようになったウォルターの変化に、
心の中で拍手を送っていたりもしました。

タレクが望んでいた地下鉄ホームでのジャンベ演奏。
叶わなかった彼の夢を当然のようにウォルターが引き継ぐ。
人が人らしく生きることの大切さを意外な形で知ることになり、
そのことを表現するのにこのジャンベという楽器のプリミティブさはあまりにも適切。
地下鉄の騒音にかき消されながらも刻まれ続けるリズムに、
彼が乗せるのは怒りなのか、ようやく表せるようになった溢れる思いなのか。
とにかく・・・素晴らしいラスト、佳作です。


The Visitor(2007 アメリカ)
監督 トム・マッカーシー
出演 リチャード・ジェンキンス ハーズ・スレイマン ダナイ・グリラ ヒアム・アッバス 



扉をたたく人 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東宝
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地球最後の男 オメガマン [映画感想−た]

ウィル・スミス主演『アイ・アム・レジェンド』のオリジナル。
というかさらにこの前に『地球最後の男』という作品があるそうですが、
そちらは未見です。観たような気がしないでもないんですが・・・。


1975年に中国とソ連の間で細菌戦争が勃発。それにより人類の多くは死に、
感染して生き残ったものは全身が白くなり太陽光線に耐えられない身体になってしまいました。
その戦争から2年後のロサンゼルス。元軍医のロバート・ネヴィル(チャールトン・ヘストン)は、
自分が開発した抗体ワクチンのおかげで健康体のまま現在まで生き延び、
そのため感染者たちから敵対視され、日々彼らとの戦いを1人続けていました。
しかしある日、ネヴィルは街で彼以外の健康体の人間を発見します。


孤立
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無人のロサンゼルスの街をネヴィルが赤いスポーツカーで疾走するオープニング。
このあたりの雰囲気はまるっきり『アイ・アム・レジェンド』しています。
CGのないこの時代、おそらく街中完全封鎖して撮影したんだと思いますが、
よーく見ると、遠くにクルマが走ってるのが見えたりもしてるんですが、まあそこは。
相棒の犬もいなくて、1人独り言を言いながら街を歩くネヴィル。
そこらじゅうにミイラ化した死体がゴロゴロしていて、
クルマが潰れたら当然別の新車に勝手に乗り換え。
映画館で1人『ウッドストック』を観るシーンなんていうのも登場して、
チャールトン・ヘストンとロックってちょっと意外な取り合わせな気もしましたが、
そんな廃墟の街の演出はなかなか面白いです。

ところが、やがてネヴィルの"敵"である感染者たちが登場し、雰囲気は一変。
ハッキリ言ってちょっとガッカリな感じになってきます。
この細菌に冒された人々の描写がすごく残念なのです。
『アイ・アム・レジェンド』で予備知識があったからいいようなものを、
いきなり何も知らずにこれを観てたら、この人たちのこと、
何やらアヤシイ異教徒の集団かなんかだと思ったに違いない。
『アイ・アム〜』ではもはや人間じゃないぐらい変異していたし、原作では"吸血鬼"だったそう。
でも今作での彼らは、肌や髪の毛、瞳が白くなってるだけで普通に元気そう?な人たち。
光に弱いとは言っても別に光を浴びて溶けるわけでもない。
単にネヴィルと敵対してるだけの人たちという感じなので、
ネヴィルがかまわず彼らを銃で撃ちまくるのが逆にすごく恐ろしいです。


味方?
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そんな中でネヴィル以外の健康な生存者たちが見つかります。
リサ(ロザリンド・キャッシュ)とダッチ(ポール・コスロ)は、
ネヴィルが感染者たちに捕まったところを助けます。
リサは最初、とにかく敵か味方かわからないぐらい乱暴。
その乱暴な意味はよくわからなかったんですが、まあその後予想通り2人は恋仲に。
どうでもいいことですがこの2人、やたらサービスカットが多いです。
チャールトン・ヘストンといえば裸というイメージがあるんで驚かないですが、
それにしても今回も意味もなくあちこちで上半身脱いでます。
それに対抗するかのようにロザリンド・キャッシュも脱ぎます。意味もなく。
ベッドシーンはいいとして、服の試着のシーンぐらいで脱いでみせなくてもと思いましたが、
そんな時代だったのでしょうか?

ネヴィルと感染者たちとの敵対関係、感染することにより白くなる肌の色、
そのことから来る差別的発想、彼らが文明社会を否定し武器を使用しないことなど、
この作品では宗教的、政治的な意味合いがかなり含まれているようです。
ヒロインを黒人女性にしたのもそのひとつかなと思いましたが、
批評や解説などをいろいろ読んでも、どうも私にはそういったことがいまいちピンと来ませんでした。
ニュアンスとしてはいろいろ感じられるものはありましたが、
この時代の知識も乏しく、40年近く経った現代では通じないことも多い。
それより何より、脚本自体も演出としてもそういったことを匂わせる程度にしか描いてない気がして、
何かすべてが中途半端な印象を受けました。私の理解力の無さなのかも知れませんが。


感染者
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やはり感染者たちが単に白塗りで黒装束な人にしか見えず、
彼らがネヴィルを敵視する理由がよく見えないことが一番失敗だと思います。
お互い、一回よく話し合えばいいのでは?と思えてしまうところがすべて台無しにしてしまってる。
手に負えないくらい凶暴なバンパイヤになって初めてネヴィルが取る行動も理解できるはずなのです。

それともう一点残念な点は、全編に流れる音楽がまったく合っていないこと。
とにかく緊張感がなくて、ここはドカンと鳴らしてもいいのでは?というようなシーンでも、
どこかムーディな音楽でガックリ。ちゃんとした劇伴を作れなかったかなんかで、
そのへんにあった音楽を適当に合わせたみたいな印象です。
せっかく冒頭でウッドストックとか見せたんだから、
この頃のロックとかバリバリ使っちゃってもいいと思うんですが。
この音楽がB級な感じを決定づけてしまっています。
60〜70年代SFは結構スキなんですが、これはいろいろと残念すぎる作品でした。


The Omega Man(1971 アメリカ)
監督 ボリス・セーガル
出演 チャールトン・ヘストン アンソニー・ザーブ ロザリンド・キャッシュ
   ポール・コスロ リンカーン・ギルバトリック 



地球最後の男 オメガマン 特別版 [DVD]

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