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食べて、祈って、恋をして [映画感想−た]

あまりにも前評判が悪くて劇場へ向かうのも躊躇してしまったのですが、
監督が個人的にハマッてる超傑作TVドラマ『Glee』のクリエイターで、
かつ、佳作『ハサミを持って突っ走る』(でもコレもいろいろ微妙だったけど)の、
ライアン・マーフィーというその一点を信じ、
それとジェームズ・フランコ観たいなあといういつものミーハー心でチャレンジしました。


NYでジャーナリストとして活躍するエリザベス(ジュリア・ロバーツ)は、
結婚8年目の夫スティーブン(ビリー・クラダップ)との離婚を決意して家を出ます。
やがて年下の俳優デイヴィッド(ジェームズ・フランコ)と出会い同棲を始めますが、
その関係も長続きせず、悩んだ末に彼女は自分を取り戻すために1年間の休暇を取り、
イタリア、インド、バリをめぐる1年間の旅に出ることを決意します。


修行します
eatpraylove_1.jpg


どんなに酷い出来なのかというとそれほど酷くもないかも、と一瞬思ってしまうのですが、
でも細かいことを言い出せばキリがないというか、最初から最後まで、
「そんなわけない!」「んなアホな」のオンパレードな話で、
それを美しい風景や素敵な男性陣やジュリアの高笑いで上手に見せているという、
言ってみれば"それだけ"な話になってしまっていて、
終わってみると「なんだこりゃ?」となってしまったのでした。
これが60年代頃のオードリー・ヘップバーンなんかがパリでお嬢様修行するような、
そんな夢物語のような話だというのなら、こういうのもありかも知れません。
でも時代は現代で、いろいろと現実的な問題に直面していそうな人たちが、
リアルに悩んだりしてる風な顔をして、それぞれ生きている様子をそれなりに見せているので、
冷静に考えればすべてがウソだし、そんな結論でいいの?といちいち気になることだらけで、
これをすんなり受け入れていいとは到底思えませんでした。

主人公のエリザベスがいったいどうしたいのか、これが最後まで理解できず。
とにかくいろいろ悩んで泣いたり祈ったりするんですが、
どう見てもその問題を作ってるのは自分自身じゃないの?と思ってしまいます。
まあそんな困ったちゃんだから自分でもどうしようもなくて旅に出るのでしょうけど。
まずは夫が自分のいいなりにならず大学に戻りたいと言っただけで離婚。
(もちろん理由はそれだけではないとは思いますが。)
年下の売れない俳優と恋に落ちてもちょっとうまく行かなくなると1人逃亡。
(これまたもちろん理由はいろいろあると思いますが。)
旅先で出会ったバツイチ男にプロポーズされたらやっぱり逃げる。
(まあいろいろあったからまた結婚なんてとは思うだろうけど・・・。)
これらの行動を恋愛に臆病な女だとか、それでも恋愛せずにはいられない弱い女だとかなんとか、
そういうことで片付けてもいいのかも知れないんですが、
なんだか「私ってこんなにモテちゃうけどなぜか不幸!」と延々主張してるみたいで、
まったく彼女に感情移入できないし、最後まで応援する気にもなれないのです。


でもやっぱり恋します
eatpraylove_2.jpg


ではこの作品は彼女の自分探しの"旅"そのものを描きたかったのでしょうか。
彼女の旅はイタリア〜インド〜バリ島と続くのですが、
これも予めお膳立てされた芸能人の旅番組のような感じです。
イタリアではボロアパートに住むとはいえ遊び放題食べ放題。
まあイタリアだしそれもアリかも知れません。
実際、登場するパスタやピッツァはものすごくおいしそうで、
見終わるとイタリアンレストランに直行したくなること請け合い!ですし。
イタリア男に引っかからないのは彼女の慎ましいところなのかも知れない・・・とか?
次のインドはデイヴィッドに教わったグルを訪ねるのですが、
ここが観光修行場(そんなものがあるのかどうか知りませんが)みたいなお気楽な感じで、
私はてっきりこのグルが何か商業主義な胡散臭いヤツで、
ここで痛い目に遭うみたいなことかと思ったら・・・当然それもナシ。
最後のバリでも瞑想したりするけれど、そこで出会うのはブラジル人?のハビエル・バルデム!

そう、彼女はなぜか旅先で他所から来た人ばかりに出会い、
その土地に溶け込もうとしてるように見えるけど、どこかよそよそしいというのか、
地元の人を理解しようという気もなさそうに見える。
もちろん1年間と決めた旅で、その土地に定住しようとしているわけではないので、
そういう態度でいることは間違いではないと思うのですが、
自分がよそ者、異邦人である立場を崩さないままでいるのが、
ここでうまくいかなければすぐ逃げ出せばいいんだよなという風に見えてしまうし、
それなのに彼女に関わる何人かの地元民、インドの少女やバリの医者の母子などの、
結構深いところに関わったりもするので、その人たちは彼女をどう思っているのか、
なんだか単に振りまわされるだけに見えてしまうのです。
結婚を嫌がっているインドの少女へのアドバイスとか、
極めつけのバリの医者母子へのプレゼントの"とんでもなさ"が、
どうにも気持ちの悪い、とても素直に善いことだと受け取れないのでした。


今回はイマイチだったよ
eatpraylove_3.jpg


原作は世界的にベストセラーとなったものだそうですが私は未読。
これに深く感銘を受けた女性がたくさんいるそうで、
そんな読者にとっては余計にこの出来栄えは残念なものに映ったんじゃないかと想像します。
監督のライアン・マーフィーはこの原作をどう受け止めたのか。
もしかしたらエリザベスという女性を否定的に受け取って、
彼女を徹底的にイヤな、どうしようもない女に描こうとしたのかもとも思ったのですが、
それほどの悪意は感じられません。
いっそのこと彼女をそんな風にとことんイヤな女に描いたとしたら、
「こんな性格の悪い女じゃ旅しようが祈ろうが恋しようがダメよねえ」で、
すべて納得できたような気がします。でもおそらくそういうことではないのでしょう。
原作者もそんな脚本は認めないだろうし。
では何がいけなかったのか・・・わかりません。
原作ものの失敗例としてあまりに話を詰め込みすぎたとか端折りすぎたとか、
まあそういうことなのかなと想像しますが、どうなんでしょう?
NYでのデイヴィッドとのパートとイタリアの無駄に食べまくりあたりをもうちょっと減らして、
インドとバリをもうちょっと丁寧に描いたら良かったんじゃないのかな。

ビリー・クラダップはこんな女にいつまでも拘ってるより早く忘れて幸せになって!と、
その"不幸な夫"ぶりに心から同情してしまいました。
ジェームズ・フランコはもうちょっと魅力的に描いてくれてもよいのでは?と思いましたが、
監督の趣味じゃないのかなあ。かなり残念。
インド篇に登場するリチャード・ジェンキンスにはものすごい熱演を見せられて、
思わず涙がボロッと落ちてしまい、直後"いやいや違うだろう!"という、
無駄な好演ぶりだったと思います。これまた残念。
ハビエル・バルデムは期待通りというか予想通りというか。

全体にどこか微妙な勘違いというのか、ロハスとかスピリチュアルとか、
これを元に女性誌で特集が組まれてもなんかイイ感じねとすんなり受け入れられそうで、
それで幸せになる人がいるならそれでもいいのかな、と思うけど、
どこかで誰かに多大な迷惑をかけてないか?と思うし、
そこに気が付いてしまうと、なんとかしたいんだけどどうにもならないもどかしさも感じ、
とりあえず日本でこれに影響を受けたドラマや旅番組が作られないことを祈るだけかな。
そんなの作られても個人的には全然どうでもいいことなんですけどね。


Eat Pray Love(2010 アメリカ)
監督 ライアン・マーフィー
出演 ジュリア・ロバーツ ビリー・クラダップ ヴィオラ・デイヴィス
   ジェームズ・フランコ リチャード・ジェンキンス ハビエル・バルデム



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コメント 2

ぷーちゃん

ジュリアロバーツが主演しているって事で
先日観てきました。
まっ、こんなもんでしょ。気分転換にはなりました。
(*/∇\*)
by ぷーちゃん (2010-10-02 23:48) 

dorothy

ぷーちゃんさん、こんにちは。
お、ご覧になりましたか!そう、こんなもんでしょってカンジですね。
原作モノだとかでなければ「ジュリアの世界食べ歩き」みたいなね。
私もジーンズをワンサイズアップしてでもあのイタリアンの数々は食べたい!
by dorothy (2010-10-03 00:04) 

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