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ファウンテン 永遠につづく愛 [映画感想−は]

『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督の前作。
・・・ということを意識したわけではないのですが、
ずっと観なくてはと思っていた作品です。


病に冒された妻イジー(レイチェル・ワイズ)の命を救うため、
医師のトミー(ヒュー・ジャックマン)は日々特効薬の研究に没頭していました。
イジーはある日、自作の物語をトミーに読んで欲しいと手渡します。
それは中世スペインの騎士トマス(ジャックマン)が、女王イザベル(ワイズ)から、
永遠の命をもたらすという伝説の"ファウンテン(生命の泉)"を探すよう任命される物語。
しかし、その物語は未完で、最終章は空白のまま。
イジーはその続きを書いてくれとトミーに託すのですが・・・。


失いたくないもの
thefountain_1.jpg


"トンデモ映画"という評価をあちこちで聞いていたのですが、
アロノフスキー監督のデビュー作『π』も「!?」な作品だったし、
『レクイエム・フォー・ドリーム 』も別な意味でトンデモな作品だったから、
ラブストーリーのフリしてどんなトンデモが展開するのかと、逆にちょっと期待してしまいました。
確かに始まりはコスチュームプレイ風で、ふむ、と思ってたら、
急にヒュー・ジャックマンがスキンヘッドで空中浮揚しててなんだなんだ!?
と思ってたら次には現代になって髪の毛も元に戻って、でもアヤシゲな研究してるし、
これは確かにトンデモかも知れない、とかなり不安になってしまいました。
特に未来?の宇宙パート。ヒュー・ジャックマンは大木のかけらを食べたり、
自分で腕に刺青を入れたり、座禅組んでたかと思うと太極拳みたいのやってたりと、
かなり、かなり微妙な方向です。

妻を永遠に愛す、なんていうプロットと幻想的な映像、
特にこの宇宙パートのキラキラした感じのスチールを見た時は、
ロビン・ウィリアムズの『奇蹟の輝き』みたいな映画かな、と思ったんですが、
むしろものすごく美しい映像の『大霊界』と言った方が近いかも知れません。
あと一歩でアヤシイ宗教ビデオになりそうな雰囲気で、
"神秘的"で括ってしまうにはどうかと思うし、ラストなんかはちょっと笑ってしまいました。
こういうのは西洋人の感じ方と日本人の私ではかなり違うのかなと思います。


忠誠心
thefountain_2.jpg


現代のパートは普通にラブストーリーとして素晴らしい出来です。
イジーのために特効薬を何としても作り出して彼女を助けたいと思うトミー。
そのために研究室に入り浸りになり、イジーと一緒に過ごすことが出来ず、
彼女の容態の変化にも気が付くことが出来ない。
一方イジーは残り少ない日々をトミーと出来る限り一緒にいたいと思っている。
この、愛し合っているのにすれ違ってしまうというのは切ないです。
医者として夫として、彼女のために出来る限りのことをしたい、
愛する人を失いたくないトミーの気持ちは痛いほどわかります。
でもその結果、イジーが一番望んでいることを叶えてあげられないのです。

イジーのほうはというと、すでに死に対する準備が出来つつある。
彼女の真っ直ぐで、少しだけ寂しさを漂わせた瞳が実に美しいです。
愛する人に先立たれるのも、愛する人を残して先に旅立つのも、
どちらも考えただけでどうにかなりそうなくらいつらく苦しい思いでいっぱいになります。
自分がもし死を覚悟するようなことになったとしたら、
イジーのように強くなれるのかとても自信はないですが、
出来ればこういう人になりたいものです。
そして、こんな風に愛されるイジーが心の底から羨ましいです。


秘めた愛
thefountain_3.jpg


中世のパートもなかなか良く出来ていて、マヤ族との戦闘シーンは迫力あるし、
宮殿のシーンでは無数の星のようなロウソクのあかり、
金色に輝く女王のドレスが思わずうっとりするくらい美しい。
思うんですが、この中世パートと現代のパート、
この2つだけで話を進めても良かったんじゃないでしょうか。
未来の宇宙パートはトミーの心の中を表す映像として、
また生命や死をどう捉えるかの象徴的な表現として大切かも知れませんが、
最初に書いたように、どうも神々しさとか神秘的とかいうより、
思わず笑いがこみ上げてきてしまうのがなんとも・・・。
聖書も仏教もマヤ文明もなんでもアリな感じも「?」だし。

とは言え、映像はどこもここも美しく相当なこだわりを持って描かれています。
多少やりすぎとも思える宇宙の映像も、大きい画面で観たら迫力だろうなと思うし、
対照的にグッと寄って見せるイジーのうなじの産毛と、それを連想させる大木の表面の繊毛。
その繊毛に触れようとすると、手の平に吸い寄せられるように動くのが驚きの映像です。
それと、生命の木の樹液を飲んだら全身から花が咲き出すというのはものすごく自分好み!
これも結構笑っちゃいそうなシーンではあるんですが、
ボワン!という感じで花が咲くのはいいなあ。ここだけ繰り返し観てしまいました。
トンデモとか笑っちゃうとか言いながら、実はすごく好きかも知れません。
抗いがたい魅力というのでしょうか。ヒュー・ジャックマンの一途さもいいし。
彼の作品では個人的には一番好きかも知れません。


The Fountain(2006 アメリカ)
監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ヒュー・ジャックマン レイチェル・ワイズ エレン・バースティン




ファウンテン 永遠につづく愛 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


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