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スルース [映画感想−さ]

名作『探偵<スルース>』から35年後のリメイク作。
あれほどの名作のリメイクに果敢にも挑んだ勇気には賞賛を送りたいです。


ベストセラー推理作家アンドリュー・ワイク(マイケル・ケイン)の屋敷を、
無名の俳優マイロ・ティンドル(ジュード・ロウ)が訪ねてきます。
マイロはワイクの妻マギーの浮気相手で、マイロはワイクに離婚するよう迫ります。
ワイクはそれを受け入れ、その代わりにある1つの提案をします。


追い詰められます
sleuth_2007_1.jpg


予想通り、そして評判通りイマイチでした。
オリジナルが傑作過ぎることもあるし、比べるのは酷な気もしますが、
なんだか安易なサスペンスドラマ風リメイクにしか見えず残念でした。
全体に遊びとかひねりとかがほとんどなくて、"第二幕"までは展開は前作とほとんど同じ。
それも結構早足で、余計なものはどんどん削っていったのかなと思いますが・・・削り過ぎ。
オリジナルより尺が短いというのは珍しいし、潔くもありますが、
なんだかガチガチしていて、悪い意味で余裕がなくシンプル過ぎです。
もう30分長くしてもいいから、もうちょっと遊びの部分が欲しかった。
ストーリーを知っているだけに意外性も感じられず、
前作はオチがわかっても何度も見返したくなるぐらいだったのに、
話の展開以外の観るべき部分がないのです。
前作の仕掛け人形の役割を現代風のハイテク設備に変えてみたといったところですが、
これもなんだか中途半端だし、おおっという感じでもない。
そもそも、ワイクの家がそんな風である理由がいまひとつ活かされていません。
前作のワイクはゲームが好きで、そのこだわりがあの奇妙な屋敷を作り上げていて、
そんなこだわりのある人物であるからこそ、理解不能なゲームを始めてしまったわけで、
では今回のワイクのこだわりはというと、これがまるで感じられません。
ガチガチに警備を固めて世の中と隔絶した生活をしている・・・という風でもなく、
単純にハイテク好きというわけでもなさそう。
だってあの万能リモコン、ウチにもあるし!しかしそんなにすごいリモコンだったとは・・・。


今度は追い詰めます
sleuth_2007_2.jpg


ワイクは冒頭から「私のクルマのほうが大きい」とか、
わかりやすくマイロを見下してる感じを出していて、そのあたりの描写も不満でした。
オリヴィエ卿のワイクは金持ちで上品そうでありながら下世話さもあり、
狂気も秘めつつ、でもいい人かもしれないと思わせる複雑さを感じさせました。
それが今作では、ワイクもマイロもどうも品がない。
マイロに関しては今回は売れない役者という設定なので、多少品がなくてもOKなのかも知れませんが。
ワイクはもっと何を考えてるかわからない複雑な感じを出して欲しかったです。

まあでも、何を考えてるかわからないと言えば”第三幕”なのですが。
この脚色というのか改変はオリジナルとの違いを出すためだったのでしょうけど、
ホモセクシュアルな雰囲気を出すことの意味はよくわかりませんでした。
前半から「君は魅力的だ」とか「君を好きになった」とかワイクに言わせてはいましたが、
そういう意味だったとは!?
ジュード・ロウを見たらみんなそんな気になってしまうとか?
オリジナルでも変装の衣装を選ぶ時に、マイロがドレスを身に着けてふざけるシーンがありましたが、
男2人となると、そういう方向に行きがちなのでしょうか?
そんなホモセクシュアルな展開が意外な方向に向かうのかと思えば・・・どこにも行かず。
意外性もどんでん返しもなく、無理矢理に終わってしまった感じです。
脚本はハロルド・ピンター。これが遺作となってしまったんですね。
ちなみにワイクが観ていたTVドラマにちらっと登場していました。


さて勝者は?
sleuth_2007_3.jpg


二代目マイケル・ケイン!と初代の演技はさすが見応えがありました。
意外にもジュード・ロウは健闘していたと思います。
それはマイケル・ケインが、というかワイクがどんどんパワーダウンしていくのとは逆に、
マイロは泣いたりエキセントリックになったり変装したりと、
メリハリがあってわかりやすいということもあるでしょうが。
インテリアが高級家具店のレイアウトそのままのような生活臭の無さで、
それが舞台劇っぽい雰囲気を出していて、本当に2人の舞台を観ているような感じでした。
でも、それ以上ではないのが本当に残念。
いっそのこともっともっとシンプルにして、話はオリジナルに忠実にして、
純粋なこの2人の舞台劇として見せても良かったかも知れません。
なんだかいろんな意味でマイケル・ケインが気の毒な気がしました。
ケネス・ブラナーって、いつもどこかちょっとだけ方向を間違っている気がします。
俳優としてはすごく面白い人だと思うんですが。


Sleuth(2007 アメリカ)
監督 ケネス・ブラナー
出演 マイケル・ケイン ジュード・ロウ ハロルド・ピンター



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きさ

オリジナルが好きだったので、割と期待して劇場に行きました。
結構がっかり。
感想、ほぼ同感です。俳優は頑張っていたと思うので、色々付け足した脚本と演出が敗因かなあ、、
by きさ (2009-06-13 13:25) 

dorothy

きささん、こんにちは。
あの付け足しさえなければ・・・ですよね。
2人の演技とクールなセットはすごく良かったのに、残念でした。
by dorothy (2009-06-14 01:10) 

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