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マーゴット・ウェディング [映画感想−ま]

ニコール・キッドマン主演でも日本では劇場未公開。
ジャック・ブラックも出てるのに!DVDスルー・・・これはありえるか。
よほどつまらないとか訳のわからない内容なのかと思いましたが、そんなこともなく、
ただ確かに、多少とっつきにくい印象ではあります。


作家のマーゴット(ニコール・キッドマン)は、
妹ポーリン(ジェニファー・ジェイソン・リー)の結婚式のため、
息子のクロード(ゼイン・パイス)を連れて生家を訪ねます。
マーゴットはポーリンと長く疎遠だったことから再会はぎこちなく、
また夫ジム(ジョン・タートゥーロ)とうまくいってないことや、
ポーリンの婚約者マルコム(ジャック・ブラック)が無職で品がないこと、
隣家と諍いが絶えないことなど、あらゆることに苛立ちを募らせていきます。


母と息子
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監督・脚本は『イカとクジラ』のノア・バームバック。
今作では、その『イカとクジラ』でローラ・リニーが演じた母親と、
オーウェン・クラインが演じた息子を改めて主役に持って来たような話です。
『イカとクジラ』の母親も作家で、夫とうまくいかず性格は自己中心的。
今作のマーゴットはあの母親を一層極端に突き詰めた感じで、
クロードも『イカとクジラ』での、兄と違って弱気で母親が好きな弟によく似ています。

なぜマーゴットとポーリンが疎遠になったかというと、
作家であるマーゴットは、過去に身内の出来事を自作のネタにしてしまったから。
そのことでポーリンは離婚を経験していたりするのにマーゴットには当然罪の意識はない。
とにかくこのマーゴットの性格はかなり困りもので本人に悪気はなく、
むしろ相手のことを一生懸命考えてるのかも知れないし、ヘンな正義感やお上品さもあり、
でも結局最後は自分の気持ちを優先させてしまうというのか、
自己正当化してしまうというのか、何にしても気持ちが相手に届かないのです。
そしてそんな自分がイヤでイヤでしょうがない。
ああ、こういう人っているなあと思う。実にやっかいなヒトです。


姉妹
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性格的なことを言えば、ポーリンも気分屋で自分勝手なところはあるし、
マルコムもだらしなくて短気で自意識過剰。
マーゴットの浮気相手の作家やその娘もいい加減だし、
隣家の住人はあらゆる意味でかなりアブナそうな一家だし・・・でも、
そんな中でも結局マーゴットが一番モンスターに見えます。
そんな彼らが協調しあうことはありえないので、
そんなこんなをずっと見せられているこちらもイライラしたり不安になったりします。
でも人間関係って結構こんな感じかも知れません。
特に自分を出してしまいがちな身内に対してはどうしてもこうなりがちかも知れない。
それが証拠に、強く言い争っても数分後には互いに大笑いしあっていたり、
でもやっぱりどうしてもわかりあえなかったり。
姉妹ってこんな感じなのかも、と、一人っ子の私には想像するしかないのですが。

マーゴットとポーリンの過去にどんなことがあったのか。
例えばもう1人の姉妹のベッキーとの確執は断片的にしか語られず、
またマーゴットにはもう1人ジョシュという息子がいるようなのに、
その子の説明もまるでナシ。そんな説明のまったくないところが逆にリアルで、
観てるほうはこの困った人間関係の中にポンと放り込まれた感じで実に居心地が悪く、
断片的に見えたり聞こえてくる話の中で物語が進んでいくのが何とも言えず・・・巧い。
説明がないことで1人1人の言動を一生懸命に汲み取ろうとするし、
そして結局は何もわからないままで終わってしまう。
それを訳がわからないと否定してつまらないと思ってしまうと、確かにツマラナイ。
でも、人間描写としては実に良くできていると思いました。
人の心の中なんて実際、誰もわかりはしないものだから。


もうすぐ結婚・・・できる?
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ニコール・キッドマンのマーゴットはなかなかのハマリぶり。
こういう冷たくて神経質そうな役はやっぱり似合ってます。
ジェニファー・ジェイソン・リーがいつまでも若々しい印象でびっくり。
ニコールの妹役だけど、実際には彼女の方がだいぶ年上のはず。
尖ってたり風変わりな役どころの多い人ですが、今回は自然な演技で感じが良かった。
いつの間にかノア・バームバックの奥さんになっていたんですね。
そんなところも影響があるのかしら?
ジャック・ブラックは若干浮いてるようなハマってるような・・・。

古いレンズを使い極力自然光で撮影されたそうで、
薄暗く古めかしい映像が時代をわからなくさせていて、
携帯電話が出てくることでようやく現代とわかる感じ。
そんな映像が何か全体に不安定で不安げな印象を持たせています。
どこかで"ベルイマン風"という評価を読みましたが、
そのあたりは不勉強でよくわかりませんが、
私は昔のウディ・アレン風かな、と思いました。毒や笑いが薄めの。
舞台劇風というのか、相変わらずの私小説風で、
バームバックは監督作はずっとこの路線でいくのでしょうか。
個人的にはこういうのは面白くて好きなので続けて欲しい気がします。
次はどうしようもない作家の父親のほうを主役で観てみたいな。


Margot at the Wedding(2007 アメリカ)
監督 ノア・バームバック
出演 ニコール・キッドマン ジェニファー・ジェイソン・リー ゼイン・パイス
   ジャック・ブラック ジョン・タートゥーロ



マーゴット・ウェディング [DVD]

マーゴット・ウェディング [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD


タグ:映画
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