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7つの贈り物 [映画感想−な]

ウィル・スミスが『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督と、
再びタッグを組んで製作した今作。
タイトルから受ける印象では心温まる作品のようでもありますが、
さて、実際は・・・?


ベン・トーマス(ウィル・スミス)は税務署員として未納税者を訪ね歩き、
納税を勧めたり、生活状況の調査を行っています。
それと同時に彼は密かに何かを調べ、ある人々を探していました。
彼の計画を知っているのは親友のダン(バリー・ペッパー)ただ1人。
密かに着実に計画を進めていくベンはある日、
未納税者で心臓病を患っているエミリー(ロザリオ・ドーソン)と出会います。


ベンの計画とは?
sevenpounds_1.jpg


最初、主人公のベンが何を考え、何をしようとしているのか、
まったく説明がないまま話が進んでいきます。
税務署員と称しながらどこか行動は不審だし、
最初のほうで見せる、電話オペレーターのエズラ(ウディ・ハレルソン)に対する言動は、
とてもひどくて、なぜそんなことを言うのか、するのかがまったくわかりません。
ベンの過去がフラッシュバックで少しずつ見せられはするのですが、
それがどう繋がるのかはいろいろ想像させられるばかりなのです。
最終的に彼が何をしようとしているのか、それ自体はすぐにわかるのですが、
それでもその理由、"なぜ?"という部分は本当に最後にならないとわからない。
・・・いえ、最後までわからないと言ってもいいかも知れません。

登場するいろんなエピソードの中には心を締め付けられるようなものが多く、
観ている間は、素直に何度も涙がこぼれました。
人の生死にかかわる話なので、大切な人を失う悲しさ、
自分が大切な人の前から姿を消すことのつらさを思うと、
思うところは本当にたくさんあります。
そのひとつの答えとしてのベンの行動は、ではどうなのかというと、
どうしても素直に受け入れられない何かを感じてしまうし、
正直言ってとまどいの気持ちのほうが大きかったです。
自分がベンの家族や友人の立場であったら、また何よりエミリーの立場であったら、
この結末を素直に受け入れることはできないだろうなと思うのです。


エミリーとの関係は?
sevenpounds_2.jpg


この先はネタバレに繋がりますので、
未見の方は、この先は読まないほうがいいかも知れません。




そもそもベンがそういう行動に出ようとした動機がいまいち理解できません。
自分の過失で7人を死なせたことで、生きる望みを無くしてしまうのはわかります。
やがて彼は自殺を考えるようになったのでしょう、
けれど単に自殺するのではなく自分の死を何かに役立てることで、
亡くなった人たちへの償いをしたい・・・ということなのかと思いますが、
それはわかるようでどうしてもわからない話なのです。
まったく語られないのですが、事故で亡くなった人たちへの賠償とか、
刑事責任のようなものはおそらくすべて終わらせているのでしょう。
その次の段階がこの"自分の肉体を与えること"で、
それが結果的に"7つ"になるというのは、映画とはいえロマンティック過ぎるし、
自分勝手すぎる気もします。
亡くなった7人に対して何かをするのならわかるけれど、
(私は途中まではてっきりエミリーたちは犠牲者の関係者なのだと思っていました)
彼から"贈り物"を受け取る人たちは、彼の独りよがりな考えの代用にされるようにも思えて、
どうしても納得がいかないのです。
彼のおかげで健康を取り戻すことができるのは良いことかも知れませんが、
何か結果オーライにされてしまうようで、
関わったすべての人に対して失礼な話のような気がしてなりませんでした。


エズラとの繋がりは?
sevenpounds_3.jpg


エミリーとのエピソードはこれはこれでラブストーリーとしてはいいと思いました。
いっそのこと7つとか言わずエミリーだけに絞っていれば、
普通にラブストーリーとして成立したような気がします。
(でも奥さんを亡くしたことも彼に深い心の傷を残しているのに、
エミリーと結ばれてしまうのはちょっと納得いきませんでした。
一線は越えない方が良かったんじゃないかと思いましたが・・・。)
そして最後に、エミリーに真実を伝えるのも違うような気がしました。
普通はドナーの情報は本人には教えないものなんじゃないのでしょうか?
何かのきっかけでその真実を知る、というのならわかるのですが、
弟がすべてを話してしまうのはどうかと思うし、
エズラも知っているというのもちょっとどうかなと思いました。
終いには美談としてニュースで取り上げられる、なんてことになるんじゃないかと、
ヒヤヒヤしてしまいました。

ベンの行動の是非はアメリカでも評価が分かれているようです。
向こうでは特に宗教的なことも絡んでくるのかも知れません。
自ら命を絶つこと、自分の身を分け与えるということは、
相当にデリケートなことだと思うし、
こういった考え方もあるのだよという1つの提案としたかったとしたら、
ちょっとツメが甘い気がしました。
この自殺の肯定ともとれるテーマを押し進めたかったのなら、
もっと強く納得させる何かが欲しい気がしました。

ウィル・スミスの常に悲しみの中で生きているような表情、
そしてロザリオ・ドーソンの苦しみは、素直に胸に響いてきました。
まったくいつもとタイプの違う役柄のウディ・ハレルソンも驚きです。
彼らの熱演も何か虚しさを感じる作品でした。


Seven Pounds(2008 アメリカ)
監督 ガブリエレ・ムッチーノ
出演 ウィル・スミス ロザリオ・ドーソン ウディ・ハレルソン
   マイケル・エリー バリー・ペッパー



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