So-net無料ブログ作成

ウォーク・ハード ロックへの階段 [映画感想−あ]

ちょうど去年の今頃、この作品がアメリカで公開され、
スチールを目にするたびに「ああ観たい!」と溜息をついていました。
ジョン・C・ライリー渾身の一作。ようやく!


アメリカ伝説の歌手、デューイ・コックス(ジョン・C・ライリー )。
幼い頃、アクシデントで才能溢れる兄を死なせてしまい、
そのことで父親に責められ続けて育ちます。
14歳で家を出、妻と子どもたちを養いながら歌手デビューを夢見る日々。
そしてある日、思わぬチャンスが巡ってきて・・・。


どこかで観たようなシーン・・・
walkhard_3.jpg


『シカゴ』なんかでもその見かけと違った(失礼!)優しい歌声を聴かせていたジョン・C。
とにかく出ずっぱり、歌いまくりの90分!
もう誰がどう見ても『ウォーク・ザ・ライン』のパロディなのですが、
それだけでなく、50年代から現代までのアメリカの音楽史を網羅していると言ってもいい、
その構成や、時代時代の雰囲気を表したオリジナル曲の数々がスゴイの一言!
ヘンな話ですが、このデューイ・コックスという人は当然架空の人物で、
歌われる曲もこの作品のためにすべて書き下ろされているわけです。
これって、新作ミュージカルと言ってもいい。
『ウォーク・ザ・ライン』とか『レイ』のように実在する人物を描くのであれば、
音楽は既に存在して、なんならオリジナル音源を使って俳優は口パクでもいいわけです。
ところがこちらは、メイキングを見るとわかるのですが、
ジョン・Cは曲作りの段階から作業に参加していて、当然すべて自分で演奏し歌っているのです。
これだけでも本当に心から拍手を送りたい。

そのオリジナル曲製作は、いろんなミュージシャンが関わっているようなのですが、
テーマ曲とも言える"Walk Hard"、これがまた良くできた曲!
作ったのはなんとマーシャル・クレンショウと知ってビックリ!昔、大好きでした!
そしてこの曲が、なんと今年、グラミー賞の映画・テレビサウンドトラック部門にノミネートされている!
ほかに『ウォーリー』『魔法にかけられて』なんて候補が並んでいるので、
受賞は難しいのかな・・・?よくわかりませんが。
でも受賞するとウレシイなあ。


ドラッグ求めて大ダッシュ!
walkhard_6.jpg


さて、ではコメディとしての出来はどうかというと・・・。
基本的には下ネタ、ドラッグネタだらけでバカバカしさ満載なんですが、
正直言って大爆笑というほどのことはなく、クスッとかニヤッといった感じ。
例えばコックスの幼い頃は当然子役が演じているのですが、
いきなり14歳に成長したコックスは、もう全然今のジョン・Cのまんま。
ただでさえごっつい顔なのに、こんな14歳いないよ〜とか、
ドラッグ関係は、ドラマーのサム(ティム・メドウス)が必ずきっかけという繰り返しとか、
そういう結構ベタなネタが続きます。
死んだ兄の幽霊がたびたび登場するんですが、これがある時点でなぜか成長するんですね。
演じてるのはジャド・アパトー組と言えば・・・というヒトなのですが、
この展開もおかしかったです。

それよりも見ものはやはり時代時代で変わっていくコックスの音楽。
こんなに音楽のスタイルが変わっていくミュージシャンというのもどうかと思いますが。
デビュー当時の50年代はそれこそジョニー・キャッシュ風、
それが60年代になるともろにヒッピーになってプロテストソングを歌うんですが、
これは思いっきりボブ・ディラン風。
そして70年代になると自分の曲をディスコ調にアレンジしてみたり、
やがて世間から忘れられ、年もとった2000年代になると、
なんとラッパーが"Walk Hard"をサンプリングした曲が大ヒットして、
再び脚光を浴びる・・・という、まさにアメリカの音楽史をなぞっている感じなのです。
歌詞はやっぱり下ネタだったり、すごいくだらないことを歌ってたりするんですが。
映像も、60年代ディランの時は白黒ドキュメンタリー風だったり、
ビートルズ登場シーンではイエロー・サブマリン風アニメも登場するし、
70年代のテレビ番組「デューイ・コックス・ショー」はいかにもありそうな雰囲気で、
ボウイの『スターマン』をディスコアレンジで歌ったり・・・と凝りまくり。


70年代はこんなことに・・・
walkhard_4.jpg


最後はグラミー賞みたいなステージで名誉賞を受けることになり、
パール・ジャムのエディ・べダーが彼の功績を讃え、
ジャクソン・ブラウン、ジュエル、ライル・ラヴェットの3人が"Walk Hard"を歌ってみたりと、
豪華なゲストも見ものです。

フランキー・ムニッズのバディー・ホリー、
ジャック・ホワイトのエルヴィス・プレスリーなんてのも登場。
さっぱり似てない気がするんだけど、なりきってる感じがオカシイです。
前にこの作品について書いたときにも触れましたが、
個人的に一番の楽しみだったのはビートルズの皆さん!
これが思った以上の出来栄えでした。
一応全員ノンクレジットの出演なのですが、バラしてしまうと、
ポール:ジャック・ブラック、ジョン:ポール・ラッド、
ジョージ:ジャスティン・ロング、リンゴ:ジェイソン・シュワルツマン、という豪華な顔ぶれ。
1人を除いてパッと見、誰だかわからない。
その1人・・・こんなに太ったポールはないでしょう、と思うんですが、
そこはジャック・ブラックの力業で、確かにポールになって・・・ます。
でも、やはりこの中ではジョンの完成度が高い!本当に素晴らしい。


やりすぎだよジョン、いやポール・・・
walkhard_5.jpg


『ウォーク・ザ・ライン』や『レイ』などのミュージシャン伝記映画に共通する、
幼い頃貧しくて、奥さんはないがしろにされて、ドラッグに溺れて・・・といったストーリー。
それが事実だったと言われれば納得するしかないんですが、それらをことごとくギャグにすることで、
そのありがちなストーリーに対していつも持ってしまっていたモヤモヤが、
なんとなく晴れたような気になりました。
ジョニー・キャッシュやレイ・チャールズを否定したり非難するわけでは当然ないですが、
映画になったとき、その描き方が型にはまってしまってるように感じていたのも事実。
そこをうまーくコメディに仕立てたなあと思います。
もし『ウォーク・ザ・ライン』が未見なら、そちらをまず観てからコチラを観ることをお薦めします。
それと、音楽好きな人には絶対オススメ。最後は結構感動します。
そうだ、エンドロールが終わったあとに衝撃の事実が明かされます!
こちらもお見逃し無きよう。(なんて、大したことじゃないですが)


Walk Hard: The Dewey Cox Story(2007 アメリカ)
監督 ジェイク・カスダン
出演 ジョン・C・ライリー ジェナ・フィッシャー  ティム・メドウス クリステン・ウィグ
   ジェナ・フィッシャー レイモンド・J・バリー ハロルド・ライミス



ウォーク・ハード ロックへの階段 [DVD]

ウォーク・ハード ロックへの階段 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


タグ:映画
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。