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ユー・キャン・カウント・オン・ミー [映画感想−や]

大好きなローラ・リニーとマーク・ラファロ主演、
アカデミー賞の主演女優賞と脚本賞にノミネートされたのに、
やはりこの2人が主役では・・・ということなんでしょう。
日本では劇場未公開作品。


幼い頃に両親を交通事故で亡くした姉と弟。
成長し、姉サミー(ローラ・リニー)は地元の銀行で働き、
女手1つで息子ルディ(ロリー・カルキン)を育てています。
そこに、数年ぶりに弟テリー(マーク・ラファロ)が帰省。
喜んでテリーを迎えるサミー、しかし彼の目的は姉への借金の依頼でした。


再会を喜ぶ姉と弟
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両親を事故で失い、施設で育った姉弟がどのように成長していったかの過程は語られません。
姉サミーは地元で就職し、家を継ぎ、教会に通い、
夫は家を出てしまいましたが、息子とおだやかな生活を送っています。
一方弟テリーは早くにこの町を出て、定職もない放蕩生活。
詳しい事情はわかりませんが、姉に借金を頼むために意を決して実家へ帰ってきます。
励まし合って生きて来たという幼い姉弟は、成長して、なぜ離れて暮らすことになったのか。
サミーの結婚もあったでしょう。またテリーはことあるごとにこの町を出たかったと言います。

テリーのフラフラした生き方が心配なサミーは神父(監督のケネス・ロナーガン)を家に呼び、
意見を求めますが、テリーは「神など信じない」と反発します。
信仰心は姉と弟でまるで正反対なのはなぜなのでしょうか。
これもはっきりしたことは語られませんが、
おそらく、両親の事故が大きな原因なのではないかと思いました。
そのことで姉は信仰に向かい、弟は神様なんていないと思ってしまった。
同じ不幸を経験しても、人によってその受け止め方は違う。
でもいずれにしても、交通事故という不幸と、
その結果の親の不在が子どもに与える影響の大きさを感じずにはいられませんでした。


親しくなっていくテリーとルディ
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テリーと彼の甥であるルディ。
ルディにとって、いろんなことを教えてくれるテリーは兄のような存在・・・なのですが、
むしろ、テリー自身がまだ子どものままで、だからこそルディと気があったのかも知れません。
最初はルディの送り迎えを平気でサボったりしていたテリーでしたが、
だんだんとルディの面倒を見るようになってきます。
彼の兄代わりになることで、テリーは少しずつ成長していくようにも見えました。

一方サミーもガチガチに堅い生き方をしているというわけではなく、
恋人ボブ(ジョン・テニー)がいるのに不倫関係に陥ってしまうし、
元夫(ジョシュ・ルーカス)は、彼女もテリーも"最低な男"と言いますが、
こんな最低男とどうやって出会ったのか謎です。
「ママは不良だったの?」「ノーコメント」なんてシーンもあったり。
ローラ・リニーはこういう堅そうで頑固そうで、
でもちょっと男関係は弱い・・・という役が本当にウマイです。

サミーの勤める銀行の新しい支店長ブライアン(マシュー・ブロデリック)。
ことごとく反発し合う2人。そしてあっさりと不倫関係になってしまう2人。
ブライアンは任された支店を大きくしようと努力しますが空回りばかり。
妊娠中の妻ともうまくいかず、そんなこんなをサミーで紛らわそうとするかのようです。


反発し合う2人は
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タイトルの"You can count on me"とは「私を頼りにしていいよ」という意味です。
テリーはどうしようもなくなってサミーを訪ねてきますが、
できることなら姉に頼ることはしたくなかった。
「帰ってくるたびに失敗談を言わされ失望させる。言い訳を考えるのは疲れる」とテリーは言います。
サミーはもちろん弟を責めようなんて思っていないし、なんとか彼の力になりたいと思っています。
でも、あまりにも大人げない弟の行動に感情を爆発させてしまったりもします。
また、彼に当たってしまうのは、自分自身の余裕の無さもあるのかも知れません。
恋人ボブと不倫相手ブライアンの間で揺れ動くサミー。
彼女が弟のことで悩んだ揚げ句、両方に続けて電話をしますが、どちらとも話せないシーンがあります。
サミーも誰かに頼りたくて、でも自分の行いがどちらにも頼れなくさせてしまっているのです。

"You can count on me" その言葉を誰もがお互いに待っていて、心からその言葉を聞きたいと思っている。
でも、いろんな理由・・・遠慮や意地やしがらみ、そして相手を思いすぎることで、
その言葉を言って欲しいと言えない。進んで言うこともできない。
そんないろんなことを思わせる、とても深いタイトルだと思いました。
登場人物の状況や心理状態をセリフなどで語りすぎず、
観ているこちら側に想像させる脚本も素晴らしく、脚本賞ノミネートも納得です。

私は一人っ子なので、こういう兄弟姉妹の関係がまったくわからず、
そして心の底から羨ましいと思います。
特に弟は本当に欲しかったので、どんなに登場人物が不幸そうであっても、
ずっとどこかで「羨ましいなあ」と思いながら観ていました。
どんなにいがみ合っても、心の内を隠しても、
どこかで必ず繋がり合っていて、わかりあえる関係。
兄弟姉妹の関係って、親と子の関係よりももしかして深いのかも知れませんね。
同じような思いを共有して成長するからなのでしょうか?
そんな関係を持てない一人っ子の私こそ不幸なのかも・・・なんてことも思ってしまいました。


You Can Count on Me(2000 アメリカ)
監督 ケネス・ロナーガン
出演 ローラ・リニー マーク・ラファロ マシュー・ブロデリック ロリー・カルキン
   ジョン・テニー ジョシュ・ルーカス



ユー・キャン・カウント・オン・ミー

ユー・キャン・カウント・オン・ミー

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD


タグ:映画
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