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ハプニング [映画感想−は]

ニューヨーク、セントラルパーク。
遠くで叫び声が聞こえたかと思うと、人々が急に自ら命を絶ち始めます。
工事現場では作業員たちがビルの屋上から次々と身を投げ、
警官は拳銃自殺し、そばにいた人はその拳銃を拾い上げ、同じように銃口を頭に当てます。
謎の集団自殺。これはテロだと報じられ、人々は安全な場所へ避難を始めます。
フィラデルフィアの高校教師エリオット(マーク・ウォールバーグ)も、
妻アルマ(ズーイー・デシャネル)、同僚の数学教師ジュリアン(ジョン・レグイザモ)、
彼の娘ジェス(アシュリー・サンチェス)と共に列車で避難を始めますが・・・。


この先には進めない
thehappning_1.jpg


M・ナイト・シャマランの新作『ハプニング』です。
彼の作品への思いは前に書きましたが、さて、これはどう言ったらいいのでしょう?
結論から言うと、面白くない映画、でした。
私はあまり映画に対してツマラナイとかダメとか思わないほうで、
それは、これはつまらなそうと思うものには最初から手を出さないということもありますが、
物足りないなあとか、ここがもうちょっとこうだったらとか、
ミスキャストだ、そのオチは無いんじゃないの?と不満に思うことはあっても、
こんなにハッキリ面白くない、と思うことはめったにありません。
これまでのシャマラン映画も、エエエ・・・!?と思うことは多々ありましたが、
それでもユーモアが感じられたり、映像が美しかったりと、どこかしら見どころがありました。
前作の『レディ・イン・ザ・ウォーター』はひっくり返りそうになるぐらいヒドイ作品だったと思いますが、
ポール・ジアマッティの雰囲気や、あのアパートのたたずまいとか、
なんとなく心に残っているところもあるのです。
でも、この作品は何かすべてが面白くない。
それは話のオチがどうこういうことではなく、ストーリー、出演者、演出、映像、
すべて何も心に残っていないのです。


何が起こっているのか
thehappning_2.jpg


とにかく人々がありとあらゆる方法で自殺します。
当たり前ですが、観ていて気持ちのいいものではありません。
それがなぜ起こるのか、テレビでは評論家たちがあらゆる可能性を唱えますが、
ハッキリしたことはわかりません。
都市部で起こっているから郊外へ逃げよう、
人数が多いことが原因かも知れないから少人数に分かれよう、
植物のせい、風のせいといろいろ原因を探りながら、
とにかく何かわからないものから逃げるしかない状況は、かなりの恐怖です。
でも、背後にナイフを持った殺人鬼が立っているという恐怖感とは違う、心理的に追い詰められる恐怖。
シャマラン自身はヒチコックの『鳥』や、
ドン・シーゲルの『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の影響を語っていますが、
確かに雰囲気はそんな感じ・・・のはずなんですが、
本当によくわからないんですが、何かどこか違う。

劇中、何かが起こっているけど目に見えず、ただ風が吹いているという描写が出てきますが、
この作品自体が、何か怖いことが起こっているということを表したいのに、
どう表したいのかが見えない、という感じです。
観ている間はドキドキするし、恐怖感も感じるけれど、
終わってみると、えっと、何だったんだっけ?と思ってしまっているのです。
それはこの事件に対する答えがちゃんと呈示されない、
あるいはお得意のどんでん返しがない、ということもあるかも知れませんが、
この何も残っていない感は、そういうこと以前の問題のような気がします。


この手は離さない
thehappning_3.jpg


幼い女の子を連れて逃げるという点でスピルバーグの『宇宙戦争』を思い出しました。
途中、怪しい家に逃げ込むとそこの住人がアブナイ人・・・みたいなところとか。
マーク・ウォールバーグとジョン・レグイザモが教師というのは、
なかなか大胆なキャスティングと思いましたが、
2人とも特に活躍するわけでもなく、本当に為す術がないという雰囲気。
それが演出上そうだというわけではなく、本当にどう演技したら?と思ってるような感じすら受けました。
『宇宙戦争』のトム・クルーズぐらい必死な感じを出してくれても良かったかな。
まあ、敵が宇宙人というのと違って、あまりに漠然とした脅威なので、
どうしたらいいかわからないのかも知れませんが。
エリオットとアルマ夫婦は最初、あまりうまくいってないという設定で、
それがこの危機を乗り越えて夫婦仲を取り戻す・・・ということなんだろうなと予想し、
実際そうなるのですが、それもなんだかよくわからない。
ズーイー・デシャネルはどこかヘンな様子の奥さんで、
ああなるほど、と思うキャスティングではありましたが、
終わってみれば彼女の良さもあまり発揮されないままでした。残念。
ジュリアンの娘ジェスが何か大きなきっかけになるのかと思うと・・・それもなしでした。
結局、人々が何かの影響で次々と自殺する、その映像を見せたいだけだったのでは?という気すらします。
そういう悪趣味な映画も世の中にはたくさんあるけれど、
シャマランはそういう人なのでしょうか?彼の向いている方向はまったくわかりません。
良かったことと言えば、91分という長さ、
そして今回、シャマランが声だけで画面上には登場しなかったこと。
そこは学習したのかな?

シャマランは、いっそのこと徹底して下世話なぐらいのホラーとか、
呆れるぐらいのトンデモ映画作りに徹してくれるといいのに、
ヒチコックを目指して失敗してるような印象。
私も『シックスセンス』で勘違いしてしまった1人なのでしょうか。
でも『アンブレイカブル』や『サイン』には独特なものを感じたのに。
それがたまたまラッキーな作品だったのでしょうか?
今の状況こそがシャマランの実力?
本当にこれで彼を見限りそうです。残念。


The Happening(2008 アメリカ)
監督 M・ナイト・シャマラン
出演 マーク・ウォールバーグ ズーイー・デシャネル ジョン・レグイザモ アシュリー・サンチェス



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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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Yakoha

こんにちは。「ハプニング」で検索しておじゃましました。

> マーク・ウォールバーグとジョン・レグイザモが教師というのは、
> なかなか大胆なキャスティングと思いましたが、

その通り。(笑;)今思えば大胆ですね。
by Yakoha (2008-08-05 00:53) 

dorothy

Yakohaさん、コメント& nice!ありがとうございます。
そう、2人ともこざっぱりとしてましたが、
どうしてもギャング出身・・・。
ジョン・レグイザモはもうちょっと活躍すると思ってました。
by dorothy (2008-08-05 01:49) 

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