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普通の人々 [映画感想−は]

いわゆる映画のオススメ本などを読んでいて、
観ていない作品のあまりの多さにガクゼンとしています。
この世にある映画のすべてを観るのは当然不可能ですが、
可能な限り観たいと思って今まで生きてきたはずなのに!(大袈裟ですが。)
というわけで、可能な限り未見の作品で名作と言われるものを優先して観よう!
と、突然決心しました。
たぶん、来週あたりには忘れちゃってると思いますが・・・。

で、本日は『普通の人々』です。
ロバート・レッドフォードの初監督作品。
アカデミー賞の作品、監督、脚色、助演男優賞を受賞しています。
ずっと観たいと思いながら、なかなかめぐり逢えなかった作品でした。


夫婦
ordinarypeople_2.jpg


シカゴ郊外に住む3人家族、弁護士のカルヴィン(ドナルド・サザーランド)と、
その妻ベス(メアリー・タイラー・ムーア)、高校生の息子コンラッド(ティモシー・ハットン)。
中流家庭、仲の良い夫婦、しかし息子コンラッドは暗く落ち込んでいます。
その理由は・・・この家族には長男がいたのですが、ヨットの事故で亡くなっています。
ヨットに同乗していて自分だけ助かってしまった次男コンラッドは、
その罪の意識からか自殺を図り、精神病院に入院していました。
退院し、学校に戻り、なんとか立ち直りかけているコンラッドですが、
母親との関係はぎくしゃくとしており、
父に勧められて通いだした精神科医(ジャド・ハーシュ)ともうまくいきません。

映画の始まりの時点で既に長男は亡くなっており、
どうして亡くなったのか、またその時家族はどんな様子だったのかは、
途中、フラッシュバックの形で表されたり、セリフで語られるのみです。
不慮の事故で家族を亡くしたのだから、その時はどんなに深い悲しみだったのか想像に難くないですが、
一見、それぞれがそれを乗り越えたかのようにも見えます。


母と息子
ordinary_l.jpg


母親は観劇やパーティに進んで出掛け、家の中や身なりもキチンとしており、
そして感情をあまり表に出しません。
その様子だけを見ていると、冷徹な人に見えなくもない。
しかし母親は、そうやって体裁を取り繕うことによって自分の感情を押し殺し、
悲しみを乗り越えているようにも思えました。
けれどそんな妻を夫は理解できなくなっていきます。
彼は次男のことを気遣いますが、それが功を奏しているとも言えない。
そして妻と息子の冷え切った関係をどうすることもできません。
その結果、1人思い悩み、最終的に妻に思いをぶつけてしまうしかできなくなります。
息子は、そんな両親に自分の悩みは伝えられず、解決の糸口は見出せません。
精神科医、昔の”仲間”との悲しい別れ、新しい出会いなどを通し、
行きつ戻りつしながら自分の心の中と向き合っていきます。

このように家族3人それぞれの行動はまったく3人3様で、
観る人によって、誰に対して思い入れ度が深くなるかが違ってくると思います。
だからといって、息子の気持ちはわかるけど母親は?とか、
父親はなぜそんなことを言い出すのか?とか、
誰が正しくて誰が間違ってる、ということは言えないでしょう。
3人全員が正しく、3人とも弱く、3人とも自分のことしか考えられないでいる。
それは互いに乗り越えられない壁となり、
誰かが何かを諦めたり、悟ったり、口をつぐむしかなくなるのです。
たとえ、家族という親密な関係の中であってもです。
いえ、家族だからこそ、なのかも知れません。
それはなんて厳しく悲しいものなのだろう、そんなことをずっと思いながら観ていました。

大好きなドナルド・サザーランド、今作ではちょっと”らしくない”弱気な父親でしたが、
やっぱりカッコイイなあ。
パーティの時にジャケットの下に赤いタータンチェックのベストを着てたりして、
またそれが似合ってるんですね〜・・・ミーハーでスミマセン。
ティモシー・ハットン。彼がこんなに素晴らしいとは思いませんでした。
昔、好きだった人が彼にちょっと似ていて(!)、
それがこの作品を遠ざけていた理由でもあったりしたんですが(!!)、
今回観てみて、ああやっぱり似てるなあと改めて思い、
たぶん昔観ていたら冷静に話に入っていけなかったかも、と思いました。
・・・どうでもいい話ですね。
精神科医バーガーを演じたジャド・ハーシュ。顔の作りが印象的な人ですが、
彼がコンラッドために夜中に駆けつけるところはグッと来ました。


バーガー医師
ordinarypeople_1.jpg


私は一人っ子で、なので兄弟姉妹というものがよくわかりません。
また、子どもが一人しかいない私の母は、
「子どもが何人もいるのは不思議、全部同じように愛せるのかしら?」
と、よく言ってました。
そんなことを、ちょっと思い出しました。
母ならこの作品をどう観るのだろう?

責任とは?立場とは?
人が誰かと生きていく中で、意識・無意識関係なく感じ、また考えなくてはならない問題。
それは家族の中であっても同じで、
けれど、ほんのちょっとしたことでお互いの気持ちが汲めなくなり、
互いに容易に傷つけ合ったり、すれ違ってしまうものだということがよくわかりました。


Ordinary People(1980 アメリカ)
監督 ロバート・レッドフォード
出演 ドナルド・サザーランド メアリー・タイラー・ムーア ティモシー・ハットン ジャド・ハーシュ



普通の人々

普通の人々

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • メディア: DVD



タグ:映画
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